お年玉はポチ袋に入れて渡すのが普通ですね。ただそのポチ袋の由来をご存知でしょうか?なぜお年玉はポチ袋に入れて渡すのか、今回は調べてみました。
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お年玉を入れる袋を「ポチ袋」と言う理由は?
ポチ袋の「ポチ」は、関西の方言です。「ポチ」は芸妓や茶屋女等に与える祝儀のことを意味していました。祝儀のことを「ポチ」と呼び始めた理由ですが、こちらは定かではありません。ただ非常に少ないことを「これっぽっち」と言いますね。「ポチ」には小さな点や、ほんのわずかという意味があります。そうした意味合いで、お年玉を入れる袋を、ポチ袋と呼び始めたと言われています。
ポチ袋は関西から広まっていった!
1960年代から、関西を中心として、ポチ袋に入れお年玉を渡す風習が生まれていきました。関東では、ポチ袋のことをかつては「お年玉袋」と呼んでいました。しかしそれを「玉袋」と呼ぶと語弊があるので「玉」を「ポチ」に変えて「ポチ袋」と呼ぶようになったと伝えられています。
また昔はお年玉として渡すのはお金ではなかったようです。お餅やお酒などを渡していたのですが、少しずつ日本人が豊かになるにつれ、お正月に親が子供にお年玉を渡す風習が広がっていきました。
ポチ袋が本格的に広がっていったのはいつ?
お年玉を入れる袋は、百貨店や文具の専門店などで取り扱っていました。それが10~15年ほど前から、コンビニやスーパーなどの小売店などでも取り扱いがなされています。その頃から「ポチ袋」という名称がより定着してきました。生活雑貨店である「ロフト」でも「ポチ袋」という名称で販売を始めたのは、10年ほど前からです。
お年玉の額にも変化が?
ちょうど10~15年程前に広がっていった「ポチ袋」ですが、その頃に子供がもらうお年玉も金額もピークに達したと言われています。高度成長期から右肩上がりで増えていた、子供のお年玉ですが、1997年頃をピークとして、その後は横ばいを続けています。バブル経済が崩壊し、世帯収入が見込めなくなったため、お年玉の金額もそのようになったと考えられます。
お年玉の高額化も問題となりました。普段のお小遣いより大幅に多い金額を、子供たちに管理させることに不安を覚えた保護者が多いのですね。少額のお金を入れるはずの「ポチ袋」がいつの間にかそうではなくなったことに懸念の声も挙がったのでした。
少額を入れる意味合いの「ポチ袋」が定着した理由とは?
犬の名前に多い「ポチ」も大型犬ではなく、小型犬であることが多いですね。そのように「ポチ」という響きには、小さなものという意味合いが定着し、その「ポチ袋」に入れるお年玉は少額で良いのだ、という意識が日本人の間で自然に馴染んでいったようです。「小さい」や「わずか」というニュアンスが「ポチ袋」からも感じられるのですね。
関西から広がった「ポチ袋」ですが、関東でも「ポチ袋」なら少額で良しとする風習が伝わり、現在に至ります。
お年玉を入れるポチ袋の由来とは?まとめ
・「ポチ」には「小さな」や「わずかな」という意味合いがある
・ポチ袋は関西から関東へと伝わっていった
・小売店などでもポチ袋が売られ始め、その風習が普及していった
・ポチ袋が本格的に定着し出したのは、1997年頃から
・高額なお年玉を子供に与えるのが不安な親から「少額」の意味合いがある「ポチ袋」が自然と馴染んでいった
このように「ポチ袋」の「ポチ」には「少し」であったり「わずかな」という意味合いがありました。子供に高額のお年玉を渡すことを懸念した親が「ポチ袋」に心ばかりの金額を入れることが定着するきっかけとなりました。普及したのは10~15年程前からで、意外と近年だということが分かりました。
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